一人暮らしでニーズのある物件とは

2020/07/07

Tokyo cityscape skyline

東京都の持ち家比率は平成27年度の国勢調査で47.7%と全国でも最低の数値となっています。
しかしながら、これは裏を返せば賃貸ニーズが全国でもダントツに高く、不動産投資を取り組むに至っては非常に有利な環境であるともいえます。

さらに、一人暮らし割合は平成27年度時点で47.3%となっており、2035年には東京都の半数以上が一人暮らし世帯になるとの試算も出されています。

では、今後ニーズの高まりが予想されている一人暮らしをする方たちは、どのような点を意識してお部屋探しをしているのでしょうか?

不動産投資を検討しているなら押さえておきたい物件選びのポイントを「ニーズ」という観点から考察していきます。

目次

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お部屋探し3つの重視ポイント

全国宅地建物取引業協会連合会発表の「一人暮らしに関する意識調査」では、お部屋探しの重視ポイントを3つに分類しています。
では1つずつ見ていきましょう。

建物編

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1つ目は建物自体に関する重要度比較です。
重視ポイントランキングでは以下のような結果となっています。
 
1位:間取り・階数
2位:日当たり
3位:築年数
4位:耐震性
5位;セキュリティ
 
2015年度調査より不動の1位を確立している「間取り・階数」
不動産投資を検討するにあたっては「築年数」が重要視されがちですが、一人暮らしを検討している方は、より賃料に大きな影響を及ぼす「間取り」や「階数」を重要視しているようです。
男性に関して「間取り」を意識する方が多いのも特徴的です。

また、4位の「耐震性」、5位の「セキュリティ」はポイントが増加傾向にあり、近年の大型災害などがお部屋探しの意識にも大きな影響を及ぼしていると考えられます。

その反面、「駐車場の有無」は減少傾向にあり、「車離れ」という、時代を反映した結果となっています。

女性は全ての要素において意識が高い傾向があり、「建物」に対しての意識が強いことが伺えます。

環境編

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2つ目が環境に関する重要度比較です。
 
1位:コンビニやスーパー、その他お店の多さ
2位:駅が近い(駅からの距離)
3位:学校・職場からのアクセス
4位:静けさ
5位:医療機関の有無
 
こちらも2015年度調査より不動の1位となっている「コンビニやスーパー、その他お店の多さ」が1位となっています。
不動産投資の物件選びで重要視されがちな「駅からの距離」は2位となっており、「物件賃料」と「駅徒歩」との兼ね合いが一人暮らしを検討している方には重要視されていると考えられます。

若い世代ほど「学校・職場までのアクセス」を重要視する傾向があり、年齢が上がるにつれて4位の「静けさ」や5位「医療機関の有無」6位「公園などの自然環境」を重視する傾向があります。

また、非常に面白いのが、地域ブランドを重視する方は5%にも満たない結果となっており、「地域ブランドよりも実質的な住みやすさ」を重視しているという結果になっています。
これも「不動産投資を検討されている方」と「実際に住むことを検討している方」との間の意識のずれと言えるでしょう。

設備編

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さて、3つ目の設備に関する重要度比較では以下のような結果となりました。
 
1位:バスとトイレットが別
2位:エアコン付き
3位:収納スペース
4位:インターネット接続
5位:室内洗濯機置き場
 
2017年度調査と比較すると、2位「エアコン付き」と3位「収納スペース」とが僅かなポイント差ながら入れ替わっており、「ものを多く所持しない」傾向があることが伺えます。

また、4位の「インターネット接続」を重視している人も多く、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務になっている会社もあることから、今後よりニーズが高まると考えられます。

設備に関しては女性が重要視している要素が多く、具体的な生活イメージと暮らしやすさを大事にしているようです。と同時に防犯意識も高く、男性以上に物件へのこだわりを持つ方が多いと考えられます。
 
参考資料:公社)全宅連 「一人暮らしに関する意識調査」2018年3月 より

部屋の間取りと家賃相場

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一人暮らしをする際、家賃は手取りの1/3程度が望ましいと言われています。手取り15万円で5万円、手取り20万円で6.7万円、手取り25万円で8.3万円が目安です。お部屋選びのポイントと照らし合わせながらそれぞれの家賃相場を見ていきましょう。

ワンルーム/1R

ワンルームはキッチンと部屋がつながっている間取りです。1Rと表記されることもあります。
間仕切りのないタイプのお部屋で、キッチンは小さめなことが多いです。
バス、トイレ・洗面台の3点が一緒でになることも少なくないです。
平均的な価格帯は5万円~6万円ですが、品川区や目黒区などの一部エリアでは7.5万円~10万円、港区や千代田区となると11万円~13万円となる物件も少なくありません。
エリアごとの平均で考えると、他の間取りよりも比較的安く住むことが可能なため、その分利便性などに費用をかけることが可能です。
城西地域(世田谷区、中野区ほか)、城北地域(北区、板橋区)、では、約半数が5~7万円の物件となっています。

1K

1Kは部屋とキッチンが分かれているタイプです。
キッチンと居室に間仕切りがあるので、料理を作っても匂いが居室にこもらないようになっています。
自炊を日常的に行う方に適しています。バス、トイレ、洗面所が別々の間取りも多く、女性には特にうれしい間取りと言えるでしょう。
家賃の価格帯は7万円~9万円といったところが中心です。エリアごとにみると城東地域では6万円~7万円、城西地域、城南地域、城北地域では7万円~8万円、都心/副都心地域では8万円~9万円が目安となるでしょう。

まとめ

住宅を選ぶ際には年齢や性別、用途によって重要視する点が異なることがわかります。男性よりも女性のほうが重要視する要素が多いことから女性目線でお部屋を選ぶことも不動産オーナーがより賃貸付けしやすい物件を選ぶ重要な要素となるでしょう。
また重視するポイントを踏まえたうえで理想とする家賃相場は、単身世帯が20代前後~30代前半が多いことを考えると、7~9万円といったところが望ましいと言えます。
住みたい物件はひとそれぞれ異なりますが、投資不動産という視点で考えた場合、物件選びは自分目線よりも一般的ニーズに合わせることで失敗リスクを抑えることができます。